世の中と私

グチです。でも世間のおかしさをいちいちいうと世間にいられないでしょ。

鈴木おさむ氏の時代感覚について

鈴木おさむ氏 脚本務めた過激ドラマで怒らせた?大物歌手「怒ってるらしいといううわさが…」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

 

上は鈴木おさむが脚本を書いだドラマに関する話だ。浜崎あゆみを題材にしたドラマだったのだが。2020年に放送されたらしい。(私は観ていない)

戦後を4つの時代に分けてみる。

 

1945年から1950年代まで    (日本では)戦後の闇市のような時代

1960年代              高度経済成長

1970年代              オイルショック

1980年代から今まで         バブル以降

 

戦後はこういう4つの時代にわけられると私は考えている。

芸能界でも1950年代に活躍したひとは基本1960年代には活躍していないし1960年代に活躍したひとは1970年代には活躍していないし1970年代に活躍したひとは1980年代以降は活躍していない。

もちろん例外はいる。そういう人たちは変われた(変わった)人たちだ。ファンは保守的なのでそういう人たちの変化が好きではなかった。

 

そして今は1980年代以降の時代だ。(私の時代区分ではだが)

1990年代に入る時にも過去にあったような変化があるのではないかと私も思ったし広告業界もそういうふうに考えていた。だがそういうことはなかった。だから今は1980年代以降の時代だ。

 

日本だけでなく世界中であるところで感覚のズレが生まれている。これはなんだろうと私は思っていた。日本でもロシアでも中国でもイントでもある年齢以降の人たちの感覚が違うのだ。

日本の場合はバブルとバブル崩壊があってその印象が大きいのだが世界的に考えてみると冷戦集結がポイントになるはずだ。

1989年のマルタ対談で冷戦が集結したのだと考えると冷戦集結は1989年だということになる。冷戦とはいえ戦争は戦争だった。ということは1989年に戦争が集結したのだ。冷戦下では世界は3つのグループに分かれていた。西側と東側と、それ以外の地域だ。日本は西側だったのだが。

 

冷戦集結の影響はとても大きかった。最近元ヤクザが人質を取って立てこもるという事件があった。その時にトカレフを持っていたという話だった。トカレルは旧ソ連の拳銃だ。


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日本では1995年にアウム真理教の地下鉄サリン事件があった。オウムの事件も冷戦集結がなかったら違うことになっていたはずだ。

私はそういう世代だからなのだがユーミンのシャングリラⅡを観に行ったのだがロシアのフィジカルエリートたちが多数出演していた。ああいうことも冷戦集結がなかったらなかったことだ。

話を戻す1989年に冷戦が集結したのだから1989年以降は戦後だといえるのだ。冷戦が戦争であった以上はそういうことになる。そうすると1989年を戦後の大きなポイントとして捉えてもいいだろう。

 

ただ日本ではバブルとバブル崩壊があったしその後の失われた◯◯年ということも事実あったしそれももちろん重要なことだ。だがここでは世界史上の冷戦集結の方にポイントにして考えていく。

 

1989年に冷戦が集結したのだからそれ以降は戦後だとはさっきも書いた。そして冷戦下では世界は3つのグループに分かれていた。西側と東側とそれ以外のグループの3つだ。1989年以降はこういうグループのわけ方自体も揺らいでいる。新世界秩序を模索中なのだ。

 

私は卑俗なひとだと思うが最初に話題にしたドラマだ。浜崎あゆみを題材にしたドラマだということは1990年代の出来事をベースになっている。それを大映テレビ的なコト(鈴木は1980年代の大映テレビのイメージで脚本を書いたはずだ)でドラマにしている。大映テレビ的なことを面白がるのは1980年代のセンスだ。

 

最初に書いた時代区分でいうと今は1980年代以降の時代だからそういう意味は1980年代のセンスで2020年にドラマを作ることはおかしな話ではない。

だが1989年に冷戦が集結して、それ以降は戦後だという時代区分で考えると鈴木がやっているのは戦前のセンスでしかない。2020年には戦後生まれ(1989年以降に生まれたひと)がもう30才を越えているのだ。

そういう時代に戦前(冷戦時代)のセンスの仕事をされても苦笑、あるいは冷笑するしかないではないか。

 

こういう鈴木のような人たちは時代が大昔に変わっていることに今も気がついていないようだ。

 

以下は歴史.netからの引用だ。

    
1985年    プラザ合意
1986年    チェルノブイリ原発事故    
1989年    中国、天安門事件 東欧民主化(東欧革命) マルタ会議(東西冷戦の終結) 平成に改元 日米構造協議開始        
1991年    ソ連解体(崩壊) 湾岸戦争 ソマリア内戦 ユーゴスラビア内戦 バブル経済崩壊 ペルシャ湾自衛隊派遣
1992年    鄧小平、「南巡講話」    PKO協力法成立
1993年    ヨーロッパ連合(EU)発足 オスロ合意    55年体制の崩壊
1995年    Windows95発売 世界貿易機関(WTO)誕生    阪神大震災地下鉄サリン事件住専破たん        
1997年    アジア通貨危機発生 ロシア、サミットに正式参加    消費税が5%へ 山一證券自主廃業 北海道拓殖銀行破たん
1998年    印パ核実験    
1999年    ASEAN10誕生    
2001年    アメリ同時多発テロ アフガニスタン戦争勃発 中国、WTO加盟    テロ対策特別措置法成立 中央省庁再編
2002年    ユーロ流通開始    日朝平壌宣言
2003年    イラク戦争勃発    
2004年    拡大EUの誕生            
2006年    北朝鮮、核実験    
2008年    リーマンショック
G20サミット初開催    
2009年    欧州債務危機発生    民主党政権誕生    
2011年    シリア内戦勃発    東日本大震災

 

冷戦下の世界は西と東とそれ以外の3つの世界だった。そして冷戦集結後はもうそういう世界情勢ではない。このことはそうとう重要な変化だと思うのだ。もちろん冷戦集結後の世界がすばらしいわけではない。これは事実そうだ。

 

だがもう世界は西と東とそれ以外という時代ではないのだ。この認識が鈴木には今もないはずだ。