世の中と私

グチです。でも世間のおかしさをいちいちいうと世間にいられないでしょ。

税金と国力と幸せ そしてフェアネス ディバティブ(先物取引)

世界の中のごく一部の人たちが世界中の富を独占している。

以下はNHKのニュースより

新型コロナウイルスなどの影響により、経済格差の拡大が各国で課題となる中、世界の上位1%の富裕層だけで、世界全体の4割近くの個人資産を保有していることが、フランスに拠点を置く研究グループの調査で分かりました。

世界の成人人口の上位1%に当たるおよそ5100万人の富裕層だけで、世界全体の個人資産の37.8%を保有しているとしています。

そうだとしてもそういうことでそれぞれの国の国力が増してそれぞれの国の人たちが幸せになるのならいいではないかといえる。でも現実に日本でも治安が悪くなっている。あまりの生育環境のヒドさで裁判官もいいようがない犯罪者が事実増えている。ロバートキヨサキの「金持ち父さん貧乏父さん」が日本でもヒットした。

金持ち父さん貧乏父さん

あの本が言っていることが当たっているかどうかは不明だ。あの本が言っていることは懸命にマジメに働いたってうまくなんかいかないということだ。これは一面当たっている。浜田省吾がそういうことを歌っている。マネーという歌がある。


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この歌では主人公の兄貴が主人公を油にまみれて育てている。問題は主人公は兄貴のことをまったく尊敬できないというところだ。最近読んだマンガにもそういうエピソードがあった。

半グレ―六本木 摩天楼のレクイエム― 1 (ヤングチャンピオン・コミックス)

 

このマンガの主人公は父親が必死で働いた挙句に過労死している。母親も必死で働いた挙句に倒れている。そういう経験を経て必死にマジメに働くことに価値や意味を感じなくなってしまうのだ。

私は感覚的にはまったく同じように感じている。感覚的にはまったく同意。

 

日本が戦争に負けた後にいろんなことをやっている。たとえば農地解放だ。GHQの力を借りて実行した。そして当時アメリカ領だった奄美地方と沖縄では農地解放は行われなかった。

農地解放については説明が必要だ。以下はウィキより。

小作料の物納が禁止(金納化)され、農地の移動には農地委員会の承認が必要とされた。

農地の買収・譲渡は1947年(昭和22年)から1950年(昭和25年)までに行われ、最終的に193万町歩の農地が、237万人の地主から買収され、475万人の小作人に売り渡された。しかも、当時の急激なインフレーションと相まって、農民(元小作人)が支払う土地代金と元地主に支払われる買上金はその価値が大幅に下落し、実質的にタダ同然で譲渡されたに等しかった(GHQは農地買収は正当な価格、十分な補償で行わなければならないと主張し、インフレによる物価スライド条項の導入にこだわった。しかし、和田博雄農相(松村の後、副島千八農相の短い在職期間を挟んで就任)が交渉して撤回させた。譲渡された小作地は、1945年(昭和20年)11月現在の小作地236万町歩の8割に達し、農地に占める小作地の割合は46%から10%に激減し[12]、耕地の半分以上が小作地である農家の割合も約半数から1割程度まで減少した。この結果、戦前日本の農村を特徴づけていた地主制度は完全に崩壊し、戦後日本の農村は自作農がほとんどとなった。このため、農地改革はGHQによる戦後改革のうち最も成功した改革といわれることがある。

これは当然農地の話だ。ドラッカーの考えでサッチャーさんの政策でうまくいったものはなかった。何一つだ。ただ一個だけうまくいったものがあった。それは公共住宅を安く借り手に払い下げた政策だ。日本でいえば団地を安く借りているひとに譲った。これはうまくいったというのだ。農地解放の意味はこういうことに似ている。

ただサッチャーさんのころになってイギリスは長いイギリス病から脱出する頃だったのは事実だろう。イギリスは本当に長い間イギリス病に苦しんだ。あの頃はイギリス病が底を打つ時期だった。

話を戻すが借りている家(農地)自分の部屋(農地)では気持ちが違う。そういうところを安く借りているとしてもだ。そうなるのは情で当然だ。

全部一緒だ。「やる気がでない」「モチベーションがあがらない」。こういうことでは「やる気がでない」「モチベーションが上がりようがない」のだ。

これは右左の話ではない。日本の農業が補助金漬けだったのも事実だ。これはイメージとしては大きな工場で働く労働者のモチベーションと自分で会社をやっている一人社長のモチベーションの差みたいに考えるとわかりやすいはずだ。補助金の問題点も「やる気をそぐ」「モチベーションを落とす」ことだととらえなおす必要がある。そして○○特権という話がある時期から出ている。在日特権のようにだ。

○○特権という話がしょちゅうでるのは「今の日本では不公正が横行している」という感覚(そしてそれはおそらく事実だが)があるからだ。

公正であるということはフェアであるということだ。フェアネス。フェアネスはギャンブルで考えればわかる。ギャンブルでやってはいけないことはイカサマだ。イカサマはやらないということがフェアであるということであり、それがフェアネスなのだ。

商売でも農業でも100%成功することは原理原則上存在しない。商売で100%成功する(勝てる)ものはあるが違法だ。何故ならそれはイカサマだからだ。インサイダー取引のように。インサイダー取引はたとえば情報が知りうるものが株の売買に参加することだ。たとえばある結果がわかっていればある企業の株価が上がることはわかる。他の人たちにはそういうことはわからない。だからこれはイカサマなのだ。だから違法。当然だ。

農業でも100%成功することはない。たとえば本当に頑張ってお米を作っても果物を作ってもたとえば台風で収穫できなくなることはあるのだ。

経済でも農業の感覚は一般的だ。たとえばデリバティブという。デリバティブの一つに先物取引がある。先物だ。たとえば8月から10月頃がシャインマスカットの収穫期だ。この頃にシャインマスカットが取れるのだが、まだ取れていないシャインマスカットの取引を春に行う。まだ取れてないリンゴの取引を(たとえば)春に行うから「先物取引」だ。これはお米でも小麦でもリンゴでも一緒だが台風や冷害や水害や地震で全然取れない可能性もある。全然取れない可能性はあるのが分かったうえで取引を行うのだ。じっさいシャインマスカットはおいしくて人気があるブドウだ。だからデリバディブ(先物取引)をやりたくなるひともいるだろう。

でも先物取引が過熱するとおかしな話になる。最初は春にシャインマスカットの取引の一部をやっていた。これくらいならいいと思う。だけどこういうことがあまりに過熱すると5年後に取れる(はず)のシャインマスカットの取引を行ってしまう。あるいは10年後に取れる(はず)のシャインマスカットの取引を行ってしまうことになる。そしてそういうことの果てに先物取引が普通になって普通の取引がレアケースになってしまう。

こうなってしまうとおかしいといわざるを得ないのだ。そして今の世界の経済状況のおかしさはこういうことだと思うのだ。

 

話を戻す。だから簡単な話「やる気がでる」「モチベーションがあがる」ような制度を作ることが必要だ。そして今の日本の制度はひとびとのやる気をなくさせモチベーションをなくす制度だ。

これは事実としてそうだ。その具体的な制度の在り方はそれぞれの専門家が考えてくれる。私は全体像の話をしている。