すべて敬称略です。
シンギュラリティとはAIが人間の能力を超えるポイントのことだ。落合陽一は２０２５年にシンギュラリティが訪れると考えている。
これを観たのだ。最初の方を見て正直イラっとした。だが「そうか」と思った。あることが起きる前にはもうすでにそういうことが起きるようなことが発生しているのだ。
何を言っているのかわからないと思う。
例えばコロナパンデミックの中でリモートワークが始まった。だがコロナになる前から日本の（世界の）通勤通学が大変になっていた。事実通期通学は大変なことになっていたのだ。そういう状況がすでにあってリモートワークが生まれている。コロナパンデミックがあっても（事実あったのだが）通勤通学が大変でなければリモートなど一般化することはなかった。
ある時までは大学に進むひとの場合は高校までは答えがあること（すでに答えが出ていること）を勉強して大学に入ると答えがないこと（まだ答えが出てないこと）を勉強することになっていた。中学を出てあるいは高校を出て働く人たちは働き始めると当然答えがない（まだ答えができない）ことを勉強することになっていたのだ。
だけど多くのひとが専門家に聞けば答えを教えてもらえると信じているようだ。コロナになって私は得にそう感じた。
そして思想の問題としてはある原理原則で森羅万象が解読できるという発想があったのだ。ありとあらゆる学問領域に大統一理論があるようなイメージを私たちはもっていた。この大統一理論というイメージの源流は私にはわからないのだが。
シェークスピアの作品の中で魔女の歌なるものがでてくる。それは「丸は三角、三角は四角、四角は丸い」というような歌だ。大統一理論があるのなら「丸は丸、三角は三角、四角は四角」なのだ。シンギュラリティが訪れることの意味は大統一理論はないということだ。
落合陽一は人間はもうホモサピエンスではないといっている。ホモサピエンスとは知恵のあるひとという意味だ。今ウィキで調べた。
この意味は人間が人間たる理由は知恵があることではないという意味だ。
落合陽一は大恋愛時代がくるといっている。それは人間が人間である理由が知恵ではないとすれば別の何かで、その何かが恋愛である可能性もあるからだ。
話の筋はまったく通っている。
私はここは違うと思う。スピリチュアル。日本でいうスピリチュアルと欧米でいうスピリチュアルとでは意味やニュアンスが違う。日本でいうスピリチュアルというのは霊が見えるとか前世がわかるような意味のはずだ。欧米でいうスピリチュアルの場合はちょっとニュアンスが違う。日本と欧米とではそもそも 人間観自然観が違う。だからスピリチュアルの意味やニュアンスも変わってくるのだ。
英語でbody&soulという。心身だ。body&soulというくらいだから英語圏のひとは身体と心は違うものだと思っている（はずだ）。でも日本人は身体と心はどこかつながっている、あるいは一つのもの（色心不二）だと思っている。
欧米でも body&soulという考えでは不十分だということがあったらしい。たとえば健康の定義だ。WHOで身体も心も社会的にも満たされた状況が健康だと定義している。でもそれでいいのかという話もでている。それでspiritual（霊的）にもdynamic（動的）にも満たされた状況というのも付け足すかどうかという議論があった。これは今日本のWHOのホームページを見て知ったのだが。
でもここでspiritual（霊的）というのは幽霊や前世ということでは必ずしもないのだ。同じスピリチュアルという言葉であっても意味というよりニュアンスがそうとう違うのだ。
外国語は基本わからない。昔哲学者の池田晶子が「ウイスキーをスピッツというのが本当にわかる」と書いていた。池田はお酒が好きだったのだ。ウイスキーはスピリッツだ。だけどウイスキーが霊的なかというとそれはちょっと違うはずだ。
日本語で剣道や柔道という。たぶんラーメン道もある。道だからタオに近いと思う湯道もある。
こういう道ということが即宗教的なことだというのもちょっと違う。こういうこととスピリチュアルということが即幽霊や前世ということではないということは近いはずだ。
最近「徳」を重視する人たちがいる。私も「徳」を重視している。というのは徳があるひとが結果うまくいっているからなのだ。
また「心技体」という。ここで技というのもやはりヒントになるはずだ。日本的な恋愛観で「惚れたら負け、惚れさせたら勝ちだ」というものがある。そういう風に大きく価値観が変わる可能性はある。
そういう風に価値観が変わって大恋愛時代が来るというのなら私は賛成だ。
