奴隷限界です
サービスの語源は奴隷だ。日本は1980年代がターニングポイントだった。あの頃にサービス業はバイトとパートを使うことが一般化した。私もずっとサービス業をやってきた。ここのところあっちこっちで待たされている。カフェでも待たされる。スーパーでも待たされる。あっちこっちで待たされる。私自身サービス業をやってきたのでスタッフの悪口はいいたくないが。
「なんでだろう」と思っていたのだ。ひとが来ないんだと思った。こっちは田舎だ。なのに。なのにコンビニやファミレスのバイトの時給が最初から1000円くらいだ。
前にも書いたが80年代にはもう同一労働同一賃金ではなかった。私はスーパーの夜勤をやっていた時期がある。夕方6時から深夜12時までだから6時間労働だ。8時間働けばフルタイム。そうとう頑張っていたし結果も出していたと思う。九州がITが強かった頃にそういう工場で派遣で働いていた。短期間だが。私とコンビを組んでいたひとが「辞めないください」といっていた。彼には悪かったが私はそこには短期間しかいなかった。
そのスーパーもその工場を運営していたところも実質倒産した。もちろんバブル崩壊もあったし日本の半導体に関しては私にはわからない事情もあったはずだ。だがそれはともかく両方とも倒産したのだ。
派遣が悪いとは思わない。バイトもだ。
私が修行した店にはヘルプで入ったことがあるがそれは人間関係があってのことだ。友達から仕事をもらってその仕事が安かったこともあるがその友人とそういうことで人間関係が悪くなることはなかった。「あれは安かったと思って」といってもらっているのだ。
アメリカでマックジョブというらしい。マクドナルドの仕事でマックジョブだが意味はマニュアルがあって誰にでもできる仕事という意味らしい。だがこういう考えじたいひとの仕事をバカにしている。マクドナルドのバイトのできるひとは本当にできるものだしコンビニのレジでもあるひとの前には変に列ができるものだ。
前にネットでアメリカのマクドナルドで「メイアイヘルプユー」の書いてある制服を着たスタッフが仏頂面で働いていると誰かがいっていた。
カタカナは使わないが従業員満足度が上がると顧客満足度が上がる。顧客満足度を上げようと思ったら従業員満足度を上げる必要がある。これはお客様に喜んでもらようとおもったら従業員が満足できる状況にする必要があるということだ。
従業員の満足度は給与や休みだけが問題なわけではない。ヤリガイや納得感がむしろ大事だ。実際同じ大手コンビ日チェーンでも良いスタッフがいつもいる店もあるしそうでもないところもある。
話を聞いてて「そうか」と思うこともある。大手の美容理容のチェーン店で美容師さんに話を聞いて「なるほどなあ」と思った。美容室は普通夜の9時まで店を開けるものらしいのだ。彼(男性だったが)が独身の頃や新婚の頃はまだよかったのだ子供が生まれてからいろいろ考えたのだそうだ。夜の9時まで店をやっているのだが子供は夜の9時には寝ていると。そうなると普段子供と全然会えない。だけどそのチェーン店は夜の7時までなのだ。夜の7時までだと家庭があるひとはすごく助かるのだそうだ。こういうことも従業員満足度につながっている。
感謝してもらえるとこっちはバカだから結構ガンバルのだ。でも当たり前だと思わると腹が立つ。
無人レジ無人販売といっても町中はああいうのは危ないものだし。どうするんだろう。店舗商売を流通業という。店舗商売は生産から運送から卸から店舗までの全体像だ。店舗スタッフだけの問題ではないのだ。どうするのかな。
ハッキリいうと長年ひとのこと人の仕事のことをバカにしてきたからバチが当たったんだよ。スタッフがいなかったらカネをもっていても何も変えない。無人レジがあるといっても今書いたでしょ。流通業は生産から運送から卸から店舗までの全体像だ。トラックドライバーも不足していてああいう人たちも今はなんとか必死でやっている。でもいつか限界はくるはずだ。
一頃win-winというのが流行った。安いとか楽だということでいろんなものを買っていると消費者はwinかもしれないが店や流通はloseだ。そうすると簡単な話だ。店がつぶれる。トラックドライバーになるひとがいないと誰も商品を運ばない。だから店や工場まで商品や部品が届かない。すると結果消費者が困る。だからこれはlose-loseなのだ。しかもそうなると失業者が出るしシャッター街が広がる。すると地域社会が不安定になって治安が悪くなる。そういう風になると国や自治体のいろんな意味での負担が増える。だからlose-loes-loseだ。
もうそうなりかけている。どうするの?