私はもう還暦だが子供のころを振り返って「安心できない家(生育環境)だったな」と思うようになった。
今はもうそういうことを責める気はないが両親はいつも不安や恐怖や怒りを抱えていてちょっとしたことでパニックを起こしていた。父親も祖父母との間に葛藤があって気持ちも考えも複雑なものがいつもあったのだ。祖父母もそうだった。
最近バックトゥザフューチャーを久しぶりに見た。主人公のお母さんはキッチンドリンカーだった。もうフィクションとはいえ治療が必要なレベルだ。ああいう状況で育つといつも不安だ。安心できない。
最近言わないかもしれないが「大船に乗ったつもりで」という慣用句がある。大船に乗っていればそうそう揺れないし安心だ。だが小舟はすぐ揺れてすぐ転覆する。私は小舟のような環境で育った。両親は言葉では安心できるようなことをいっていた。「大丈夫だから」のように。でもそれは言葉だけのことだった。なにより本人たちが不安だったし怒りや恐れを日常的に感じていたのだ。
そして私は最近やっと大船に乗ったような気持ちになっている。