吉本隆明は戦後を代表する思想家だ。さくさんの講演をしたひとで講演の記録もずいぶん残っている。
ある講演の後の質疑応答で工業高校の国語の先生が自分の生徒たちは工業系の進路なので国語を教えることの意味がわからないと質問した。吉本の答えは「知識は富だから生徒が富むことは良いことだと思う」というモノだった。
知識の意味や価値をお金と同じようなモノだと考えるとわかりやすい。お金があれば幸せになれるものではない。でもお金はあったほうがいい。それと同じように知識があったらからと言って幸せになれるものではない。でも知識はあったほうがいい。
だから知識はお金程度には役に立つともいえるし知識はお金程度しか役に立たないともいえる。
そして両方同じように困った時に役に立つものなのだ。お金も知識もだ。
そして守銭奴という存在がお金に関して存在するように知識に関しても守知奴が存在するのだ。