大誘拐は元は小説です。
こっちも面白いんですが、映画「大誘拐」が面白いんですよ。
キャストが良いんですよ。
誘拐犯のリーダーが風間トオルさんで、これがよくて、誘拐される大富豪を北林谷栄さんがやっていて、これもいいのです。
対峙する和歌山県警の捜査部長が緒方拳さんです。
緒方さんは耳がすごくいいひとだったんですよ。
当時語っていました。
「これは本当は和歌山弁なんだけれども、大阪弁のほうが芝居しやすいとおもったんで大阪弁でやっている」と。
すごいでしょ。
この映画の緒方拳さんの言葉は大阪弁なんです。
ここまで聞き分けれて、できるっていうのは普通ないんですよ。
映画のほうは北林谷栄さんは誘拐されるのだけれも。
誘拐犯からいわれて激怒するのです。
風間トオルさんの役の誘拐犯たちは何千万くらいと思っているんです。
でも北林谷栄さんが演じる大富豪にとって自分が誘拐されて何千ですますなんてありないと思っているんです。
で私は関西弁はダメなので標準語風の言葉で書きますが。
「私を誘拐しといて何千万で済まされたら末代までの恥だから。10億と50億とか。キリが悪いか。100億要求しなさい」というんですよ。
結局北林谷栄さん演じる大富豪がリーダーになって自分の誘拐事件を仕切りだすんです。
このひとがめちゃくちゃ切れるから、和歌山県警が対応できないんです。
緒方拳さんが演じる県警本部長も、その大富豪の家の奨学金で大学を出ているので、「絶対なんとかする」とは思っているのですが。
北林谷栄さんの息子役で神山繁さんと岸辺一徳さんがやっていて、もういいですよ。
大富豪の家の使用人役で樹木希林さんとか天野英世さんがでていて、ここも良い訳です。
脚本がもちろんいいし、監督もすごいです。
でもこの映画の場合はキャストが異様にいいのです。
すごくいい映画です。
おすすめします。