地雷だらけ怖いんですよ 町山智浩さんにせいじゃないです。
私は思想とは社会時評をしていても全然怖くありません。
ただ映画とかポップミュージックを語るのは強力に怖いんです。
地雷だらけです、この領域。
私は本当に素晴らしい生涯を送られたなと思っているのでが、それは桑名正博さんのことです。
今でもそういうことが続いているのかどうかは不明です。
ただある時期にロックを志したひとはどちらでした。
矢沢永吉さんのような「成り上がり」のひと(「成り上がり」という言葉は糸井重里さんの造語のようです)か、ボンボンやお嬢です。
ここが私にすれば超怖いところなのですが、ジョン・レノンがどうも「成り上がり」だたらしいのです。
ミック・ジャガーはボンボンでアメリカの好きな音楽の音源を買いあさっていたひとだと聞いています。
みなさん、お怒りはごもっともです。
そんな簡単なことではむろんありませんから。
ジョン・レノンの「ウーマン」であるとか、「イマジン」だけを聴くと、(本当にみなさん怒らないでくださいね)、「あんた小学生じゃないんだから、そんなに世の中は甘くないよ」と言いたくなるかたが多分存在すると私は思うのです。
これは私の考えではないので、怒らないでくださいね。
でもマジメな話、存在すると思います。
本当に怒らないでください。
「なんかそんな夢みたいな、きれいごとこと歌われたって・・・」と言いたいひとが存在する可能性を論じているだけです。
ビートルズも今から思えばなぞの時期があり、それは当時としては当然だったのでしょうが、ドイツで活動している時期があります。
下積みといえばそれまでですが。
ビートルズを語るのは私としては異様に怖いのですが、私はもう地雷を踏んでいるのでしょう。
仏教のたとえをだすのは奇妙なのですが、「蓮(はな)は泥のなかから咲く」ものです。
「イマジン」であるとか「ウーマン」だけを観て論じるのはやはりおかしくて、ジョン・レノンにとっての「泥」の部分があるからこその蓮(はす)の花としての「イマジン」であるとか「ウーマン」だと私は考えているのです。
「泥」にまみれた経験がジョン・レノンにはあったのではないでしょうか。
ビートルズ研究者のみなさん、そうですよね。
私にはそうだとしか思えません。
今の部分を書くのが私にとっては異様に怖ったのですが。
渋谷陽一さんのDJをちょっと聞いていたりとか書かれたものをちょっと読んでいると怖いんです。
渋谷さんのいわば戦友みたいな方が小林信彦さんがビートルズについて書いた件で激怒していましたね。
それは「お前なんかにビートルズを語るな」ということだったでしょう。
渋谷さんもロックとか映画とか語る方(名前は出しませんが)が死ぬほど嫌いで、悪口を言いまくっていたし。
一般的なイメージはちょっとわかないのですが、ジ・アルフィーと坂崎幸之助さんとチャーさんがビートルズを語る分には誰も文句を言わないと思います。
そういうお二人です。
ユーチューブに上がっています。長い対談ですが良いですよ。
この対談のなかでベンチャーズの話題になって「怒っているひとたちがそうとういるよね」とお二人がおっしゃっています。
私程度のひとがビートルズを語るを語ること、そのものが問題です。
語っている内容以前の問題なのです。
それはわかっています。だからみなさんは激怒さなっているわけでしょ。
【観覧注意】Char × 坂崎幸之助によるマニアック過ぎな対談
桑名正博さんなのですが、ある時期以降は本当に関西のボンボンという感じがあって素敵でした。
ファニーカンパニーというロックンロールバンドでデビューされたはずです。
ファニーカンパニーは本当に新鮮でした。
音もそうですし、言葉遣いも、本当に新鮮なバンドでした。
あの新鮮さ、あるいは斬新さは、のちの佐野元春さんのデビューまでありませんでした。
佐野さんを評価はしていたのでしょうが、ここで登場します、渋谷陽一さんが外しています。
渋谷さんは「これは売れない」と読んで、佐野さんに「こんなことしたって売れない」と明確に言っています。
残酷な言い方です。
もちろん、そうです。
ただ渋谷さんの日本のロックとのお付き合いを考えると当然だとは思うのです。
数々の日本の優秀なミュージシャンがいろいろな挑戦をするのだけれども、売れないし、評価もされないということを、最前線に立って見続けた方ですから。
余計な話です。
他界された忌野清志郎さんがボーカルをつとめていたRCサクセションも長々本当に売れなくて、それは一つの例ですが、渋谷さんとしてはそういうな苦痛を味わったと想像しています。
ファニーカンパニーなのですが、「この単語はファニーカンパニーで覚えた」と明確に覚えている言葉があります。
「ヤンキー」なのです。
歌詞に「ヤンキーの兄ちゃん」というフレーズが出てきて、当時意味が分からなかったのを覚えています。
「不良」ですよね。
私は知らなかったのです、「ヤンキー」という言葉を。
歌詞の脈絡から考えて、「不良にからまれなくない」みたいな意味なのかなあとうっすら想像したのを覚えています。
今は普通に日本語になっているのですが。
桑名さんの一番売れたシングルは「セクシャルバイオレットNo.1」です。
ユーチューブを張っておきます。
セクシャル バイオレットNo.1 - YouTube.flv
この歌はコピーが先です。
「セクシャルバイオレットNo.1」というコピーがあるから歌を作れという話なのです。
松本さんは東京人ですし、「ダサい」のが本当に嫌いな方です。
松本さんにすれば「セクシャルバイオレットNo.1」って死ぬほどダサいよねということでした。
この死ぬほどダサいフレーズを使うのかと悩んだすえに「連呼しよう」と、松本隆さんにとって「ダサくてイヤでしかない言葉を何回も何回も執拗に使おう」と決めて、なんどもこのフレーズを使っています。
結果大ヒットしたのですが。
桑名さんの芸能活動は順調に続いていたのですが、ただ音楽の方がと思っていたのです。
ただ若い友人がこの歌が好きだと言って、桑名さんの歌を歌っていました。
それも張っておきます。
「月のあかり」です。
なんか楽しいことってありますよね。
子供だったら大人から「もうやめなさい」と言われてやめるのですが、大人が楽しいことをしていて、大人だから自分で判断して、それを辞めざるを得ないでしょ。
そういうときの「切なさ」みたいなものが、この歌には異様にあるのです。
「大阪のスナックのラストは月のあかり」と言われるのがよくわかります。
具体的なそういう描写があるとか、それ以上に「月にあかり」にはそういう「切なさ」があって、良いんですよ。
桑名正博さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。