世の中と私

グチです。でも世間のおかしさをいちいちいうと世間にいられないでしょ。

理性と保守とリベラル そして封建主義と生類憐みの令

私が「LGBT法案はわかりやすいよね」と書いているのはイヤミだ。論点にしやすいという意味で「わかりやすい」と書いた。

リベラルは理性を信じる立場保守は理性を信じない立場だ。

年賀状を例にするとリベラルな立場は「年賀状には意味がないからやめるべきだ」となる。リベラルは理性重視だからだ。保守の立場は「年賀状の意味は正直わからないし年賀状を書くのも正直ツライのだが一応やってきたモノを急に辞めるのはどうかと思う」ということになる。こういうことで伝統を重視する。というより言及できるのは伝統程度しかない。保守とはそもそもそういうものなのだ。

産経新聞のデジタルでLGBT法案についての記事を一部読んだ。キリスト教の話を使って書いてあった。「あなたはキリスト教徒ですか」「あなたは日本の国教をキリスト教にしたいのですか」という反論は書いておく。そういう考えならそういう考えでいのだが。これももちろん反論というよりイヤミだ。

そして構造的に保守は譲歩をする立場なのだ。そしてリベラルが突っ走りそうになる時に歯止めをかける立場だ。

そういう意味では保守系の人たちの今回の動きはおかしくはない。

デマの多いLGBT理解増進法案に対する理解増進をせよ!(弁護士が解説)(福永活也) - 個人 - Yahoo!ニュース

なぜ保守派はLGBT法案に激しく反対するのか?ーLGBT法ついに成立(古谷経衡) - 個人 - Yahoo!ニュース

福永和也古谷経衡も安定感がある方だ。

呉智英が封建主義者と名乗っていることをある時に知った。最初は「?」と思ったのだが呉智英は言っているのは儒教に基づいた社会規範や統治機構の在り方のことだ。

封建主義者かく語りき (双葉文庫)

封建主義、その論理と情熱―さらば、さらば民主主義よ! (Century press)

私は儒教に基づいた国づくりには意外にリアリティがあると思っている。NHKの歴史探偵で見て「ああそうか」と思った。徳川綱吉公だ。あのひとは本当に犬公方だった。このことは論文もあるようだし歴史探偵をどうにかしてみてほしい。


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動画はユーチューブ高校の動画だ。

綱吉公は江戸に巨大なドッグランを作ってお犬様に良いものを食べさせていた。やっていることが実際犬公方だ。黄門様(水戸光圀公)は実際嫌いだったようだ。嫌いというより考えが違うと思っていた。「犬より人間が大事だろう」と。それはそれでごもっともな話だ。

ただこのあたりは江戸のターニングポイントだった。綱吉公は5代将軍だ。4代将軍の家綱公の時に明暦の大火で江戸が火の海になって江戸城(現皇居)も消失している。江戸城は本来どうしても再建する必要がある建物だが再建しなかった。このころになると江戸城を再建することよりも他のことが重要になっている。

綱吉公のころまではまだ傾奇者(かぶきもの)という連中はひとを平気で切り殺していた。また忠孝どころではなかったようだ。主君に忠義だてし親に孝行などをしていたら生きられないような気風だったらしいのだ。

綱吉公はそういうことを儒教に基づいた社会規範で変えることに必死だった。実際人間はどうしても憎たらしいところがあるものだ。犬ネコはかわいいものだ。生命尊重と教えるという意味だとワンちゃんやネコちゃんのほうがいい。

さらにどうやら綱吉公はゲイだったらしい。

 

どっちにしても何らかの社会規範や統治機構は必要だ。だから儒教に基づいた統治機構があってもおかしくはない。私が言っているのは「基づいた」ということなのだが。