「お客様は第二」です ブラック企業さん
ブラック企業という日本語はいつからあるのでしょうか。
ググる気にもなりませんが。
というのはブラック企業は、これは問題発言なのかもしれませんが、ほとんどの場合に「お客様第一」の企業です。
和民はちょっと違うのかもしれません。
でもほかのブラック企業は「お客様第一」の会社です。
これを読んでいるあなたが、そのお客様なのかもしれません。
「お客様第一」で良さそうなものなのですが、そうはいかないのです。
たとえば「お客様第一」を価格でお客様に還元しようとします。
安い価格をつけるということです。
この場合にあなたが経営者ならどうしますか。
どこかを削らないとお金は出て来ません。
削るところはほぼないんです。
一個だけあります。
それは「人件費」です。
ここを削れば「安い価格」をつけることが可能です。
「人件費」を削る方法は基本二つです。
一つは「時給を下げる」です。
もう一つは「時間内の仕事の量を多くする」ですよ。
法定最低賃金は決まっているので、「時給を下げる」ほうには限界があります。
そうすると、もう一つの方しか残っていません。
「時間内の仕事の量を多くする」より他ないのです。
結果サービス残業やサービス早出が発生しています。
でもあなたは安い店のほうが良いですよね。
もちろん、そうです。
だけれども、これはある種のディストピアなのですが、あなたが、「その店で働いている」としたらどうなるでしょうか。
これは「独占禁止法」がこういう時に必要なんだいうことにはなるのですが。
他の店はすべて価格競争でその店に負けてつぶれている状況です。
流通網もその店があまりに強いのでほぼ壊滅状態に陥っています。
あなたが働く先は「その店しかない」のです。
自分が基本安い給料で働いている上に、サービス残業やサービス早出までしています。
その給料ではその店でしか買い物ができないということになります。
あなたはその店の店員であり、その店の客なのです。
逃げようがないのです。
他の仕事はほぼありません。
だから、これはディストピアでしかないし、こういう事が起きうるからこその「独占禁止法」なのです。
これはある種の「お客様第一」のワナです。
私はホテルマンであるとか、一流料理店にはいませんでしたが、「自分のサービスの質の低さ」に長年悩んでいました。
頑張ってはいるつもりなのですが、どうしても「自分のサービスに質」が上がらないのです。
あれはブラック企業が問題になる前ですから、ずいぶん前です。
ある雑誌を読んでいて、その謎が解けました。
その雑誌の記事には「社員満足度と顧客満足度は正比例する」という研究結果が出たと書いてあったのです。
私はいってみれば「社員」です。
私は自分が長年全然満足していない環境で働いていたことに気がつきました。
「そうか。だいたい自分は自分の職場や給与やいろんなものが不満だったから、自分のサービスの質は上がらなかったのだ」と気がついたのです。
このコンテンツのタイトルは「お客様は第二」だというのは、ここから来ています。
「社員が第一」です。
経営者が「社員を満足させる」と結果「お客様は満足する」のです。
社員が満足すればするほど「客」や「クライアント」へのサービスの質が上がるからです。
もちろん経営者は企業を存続させることへの相当程度の義務があります。
企業が存続しているからこその「社員」であり、「客」であり、「クライアント」なのですから。
それはもちろんそうです。
ただ、もうずいぶん前に読んだことですが、有名な企業経営者のかたがおっしゃっています。
「安値競争に参加してはならない。安値競争では誰も勝つところはいない。唯一勝つのは客だ」と。
日本全体が、ある時期以降「安値競争」に走ってはいませんか。
それはダメです。
「問題外」なのです。
答えは皆負けるからです。
唯一勝つのは「客」ですし、その「客」を「雇う」ことでしか、あなたの企業が存続できない状況を引き起こしてしまう可能性があり、それはとても危険なことだからです。
だから考えを改めてください。
「お客様は第一」ではありません。
「お客様は第二」です。
「社員が第一」です。
お分かりになりますよね、企業経営者の皆さん。
皆さんが「お客様第一」という考えをかえさせすれば、デフレーションは起こりえないでしょ。