世の中と私

グチです。でも世間のおかしさをいちいちいうと世間にいられないでしょ。

ブラック企業やブラックバイトを成立させているのは あなたの「感覚」です。

今は全国展開しているようですが、リンガーハットというちゃんぽん屋さんがあります。

 

あの店では昔深夜料金を取っていました。

 

深夜は何割か値段を上げていたのです。

 

たぶんこの文章を読んでいるあなたには奇妙に思えると私は想像しています。

 

ある時私はタクシーに乗りました。

 

その時は早朝だったし、ほかに交通手段はなかったからです。

 

運転手さんは「もう普通の料金で良いですよ」といってくれました。

 

深夜料金は必要ないですということです。

 

今の日本では24時間営業の店がたくさんありますよね。

 

あれは本来奇妙です。

 

「夜は寝るもの」だからです。

 

そうでしょ。

 

あなたは夜寝るでしょ。

 

ですから「ひとが寝ている時間に」買い物をする、ものを食べる、何か飲む。

 

もちろん、これは家の外でです。

 

こういう場合に昼間よりも「高い料金を払う」のは当然なのです。

 

私自身も悩むことがあります。

 

例えば「あの店のほうで本当は食パンを買いたいのだが、まだ開いてないよね。あの店のほうが品揃えもいいし。安いんだけれども今の時間だとコンビニしかないよね」という場合です。

 

でもコンビニが高いとはいいませんが、安くないのは当然です。

 

基本24時間営業で、どの時間に行っても商品があるし、同じ料金で買うことができるからでなのです。

 

実はコンビニエンスストアでも深夜料金を取ることは本来まったく不自然ではありません。

 

深夜にお願いしている店員さんに、好待遇を与えることは実は当然のことだからです。

 

その好待遇が、たとえば「時給」だとしても、おかしくないからなのです。

 

でもあなたはイヤでしょ。

 

コンビニやファミレスで深夜料金を払うことが。

 

昼間にかえば100円のパンを深夜に買うと130円になっているとイヤでしょう。

 

ファミレスでも昼間なら500円のメニューが深夜に行くと700円になっているってイヤでしょ。

 

でもこれはおかしくないですよ。

 

とても失礼なのですが、これがおかしいと感じる感性はある種麻痺状態にあります。

 

私が書いていることはとても普通のことでしかありません。

 

あるいは「普通のひと」は日曜日に休みますよね。

 

その日曜日に働いているひとに好待遇を与えることは実はおかしくありません。

 

店は「日曜料金」を何割増しかで取ってもかまわないのです。

 

でも、あなたはこういうのはイヤなわけでしょ。

 

本当にこれはおかしな話ではないのです。

 

私が書いていることを今まで読んで、「それは店の言い分だ」と思ったかたもいると思います。

 

そうです。

 

だけれども「店」を成立させるためにはおおくの力が必要です。

 

ある番組で若い女性が高校時代にコンビニにいて、トラックの運転手さんからおごってもらっていたという話をしていました。

 

その番組の出演者のみなさんは全員「それはおかしい」という対応でした。

 

でもこれはまったくおかしくありません。

 

私もおごってもらっていたことがありますし、それ以上にトラックドライバーの方は「物流」を担当していて、その仕事内容がある程度私には想像できるからです。

 

一言でいえば「孤独な仕事」です。

 

朝事務所に行って、ちょっと仲間と話して、荷物を積み込んで、出発します。

 

「ひとり」で。

 

小型や中型のトラックドライバーの方はだいたい同じルートを通って一日運転して事務所に帰るまで「ひとり」です。

 

ですから「10時くらいにはあの店であの店の兄ちゃんとちょっと話をして」であるとか、「お昼は本当は弁当で良いんだけれどもちょっと楽しみたいからあのおばちゃんの店で世間話をしながら食べて」とか、「この時間にはほぼ仕事が終わっているんで、あのバイトに高校生とちょっと話して、コーヒーでもおごって仕事がほぼ終わる」であるとかを計算して、運転しているからです。

 

だから全国展開のコンビニエンスストアには、こういう「物流」を担当するひとが必要になります。

 

ちょっと話が飛ぶのですが、いわゆる「水商売」の女性を「客」にしている「店」もあります。

 

当然だと思いませんか、彼女たちだって当然飲み食いをしますし、そういう女性にも「店」が必要になります。

 

私が何を言いたいのかというと、別にコンビニの悪口ではないですよ、私も働き先としても、客としてもお世話になっているのですから。

 

コンビニエンスストアの全国展開の24時間営業の店を存続されるための一員に、あなたもなっている可能性が高いということです。

 

コンビニエンスストアは便利です。

 

しかし便利さをつけをはらうのがあなた自身でしかありないから、コンビニやファミレスの深夜料金であるとか、日曜日の割り増し料金であるとかがおかしいと思うあなたの「感覚」がブラック企業、ブラックバイトを成立させているのです。

 

とても簡単な話です。

 

今もあなたはやっています。

 

だってちょっと高くてもコンビニで買い物をしていますから。

 

深夜料金や日曜日料金を払いましょう。

 

そういう「感覚」の共有が日本人に可能ならばブラック企業やブラックバイトはほとんどなくなります。