私はオタクですから、4Kとか高画質動画をエンジニアが作りたくなる気持ちがわからないくもありません。
もし4Kに斬新なアイディアが含まれているのなら全然かまわないんです。
でもアイディアはほぼないでしょ。
単に画質を上げただけです。
そういうことにはいくら私がオタクでも乗れないんです。
昔なんですが、日本のアナログハイビジョンがアメリカのデジタルハイビジョンに負けたでしょ。
あれは私ごときがみていても当然でした。
今あなたが観ているハイビジョンはディジタルハイビジョンです。
そういうことがあったから日本映画も厳しかったと思うのですが、映画界は「ウチは本編だから」という正直言って、厳しいプライドにしがみついていました。
「本編」の意味があなたにはわからないでしょ。
私にもわかりません。
ただ明確に映画がテレビに負けたことを認めたくないという気持ちがどこかにあって「ウチは本編だから」という言い方を日本の映画界がしていたんです。
テレビのほうも明確にひところは娯楽の王様だったのですが、初期はいろいろあったようで、どこか劣等感じゃないですね。
映画にたいして屈折した感情があったらしいのです。
それでアナログハイビジョンなんですよ。
アナログハイビジョンの目標は「映画なみの画質」でした。
この言葉も陳腐になりすぎて使いたくないのですが、「映画なみの画質」というコンセプトでしかなかったのです。
でもディジタルハイビジョンにはある種の「驚き」のようなものに満ちていたのです。
私はオタクですから、電気屋さんの店頭にかざってあるPCを勝手にさわって、当時一般的だったベーシックというコンピュータ言語を勝手に勉強して、電気屋さんのパソコンでプログラムを走らせて遊んでいたからわかるのです。
当時そういう少年は結構いました。
PCが高価だったからです。
ベーシックで遊んでいても「音がなる」とか「絵が動く」とかいうことだけで新鮮で、斬新だったのです。
アメリカのディジタルハイビジョンにはそういう新鮮で、斬新な驚きがあふれていたんです。
申し訳ないのですが、勝負になりません。
失礼なのですが4Kや16Kには斬新な驚きがまったくありません。
エンジニアの皆さん、そういうことじゃないですよね。