世の中と私

グチです。でも世間のおかしさをいちいちいうと世間にいられないでしょ。

小泉進次郎さんたちの新しい社会保障構想はたたき台としてそんなに悪くないと思います。

新しい社会保障構想

 

小泉進次郎さんら3人の自民党の30代の国会議員の方は新しい社会保障構想をたてました。

 

以下のそのインタビュー記事です。

 

news.yahoo.co.jp

 

進次郎さんがおっしゃっているようにこれは「たたき台」です。この「たたき台」を批判したり直したり手をいれるだけの価値があるような気が私にはしました。私から見ても実情に沿っていないでだろうところもあります。でもこれはあくまでも「たたき台」なのですから「たたき台」としては良いのではないかと思ったのです。

 

構想の柱は三つです。

 

1)正社員と非正規雇用を問わない「勤労者皆社会保険制度」の創設

2)「人生100年型年金」(年金受給年齢の柔軟化)

3)健康ゴールド免許(自助を促す自己負担割合の設定)

 

国会議員立法府の住人です。つまり「法律を作るひと」なのです。そういう意味でいうと「立法への試み」としてはありうる事だと思うのです。

 

もちろんネット上で批判も山のようにあります。でも「たたき台」をだしてくれた事に私は感謝しています。

 

悪いのですが自民党憲法改正案よりはずっといいものだと感じました。

 

しがらみや怨恨がほぼないところからのスタートだったとも思いますし。

 

進次郎さんたちは「国会議員」ですからこの新しい社会保障構想は「国会議員」としてもアプローチなのでしょう。

 

私が最初にこの話題を知った時には「お年寄りを安い賃金で使うことにしかならない」と思いました。

 

終身雇用制

 

終身雇用制はそうとうよくできたものです。それがあるが故に日本で会社を何度もわたり歩くことがしづらくもあります。

 

会社が社員が必要とするおカネを必要とする時期に払うのが終身雇用制の基本だからです。例えば若くて独身の男女にはそこまでお金は必要ありません。住むところもアパートや実家で良い訳ですし、都会なら車も必要ありませんから。この時期の給料は安いのです。社員がそんなに必要ではありませんから。やがてその人が結婚したとします。ちょっとはお金が必要になってきます。奥さんが家にいる場合は2人分のお金が必要になるからです。ある時期に子供が生まれたとします。必要なお金が増えます。そのうちにマイホームを建てたとします。そして子供の学費もかかってきます。また必要なお金が増えます。子供が進学して地元を離れて大学に行ったとします。それも二人とか三人。お金がたくさん必要になります。お子さんが手を離れて、マイホームの支払いももうちょっとになると必要なお金は減ります。そして定年を迎えるのです。

 

終身雇用制度の場合は入社以降ゆっくりではありますが給料は増え続けます。給料が減ることは基本ありません。だから30代や40代に死ぬほど働いて会社に貢献して分はその時ではなくて50代のお金が必要な時に払われるのです。あるいは定年前になって仕事をそんなにしていないとしても給料は多いのです。

 

いわゆる「成果主義」であれば「その時の努力はその時に『賃金』として還元する」のです。終身雇用制の場合は「働いた成果はその時ではなくて別に時に支払う」のです。実際、例えば子供が県外の大学にすすんだ場合に多額の費用がかかります。この時期が必ずしも「働き盛りの時期」とは重なっていないわけです。そこが終身雇用制のよくできているところなのです。

 

年配の方の仕事の実態

 

今の日本社会で年配の方が働くとしたら多くの場合は「嘱託」か「シルバー人材センター」に登録して働きます。給料は定年退職時の半分とか三分の一におちます。終身雇用制では基本入社いらい少しずつではあるにしても給料は増えるのですから定年前にもしそんなにバリバリ仕事をしていなかったとしても給料が多くなっています。その時の労働とその対価としての給料ではないからです。終身雇用制の場合は労働とその対価の支払いにはズレがあるのです。「嘱託」や「シルバー人材センター」で働きだすと労働に見合った対価しか支払われなくなるので、結果収入が減ります。

 

パート、アルバイトの問題

 

パートにしても、アルバイトにしてもいわば副業ですから8時間拘束することはほぼ不可能です。8時間フルタイムで働けるひとが日本社会では「正社員」です。自分でも経験しましたが、学生時代に夕方の6時から深夜の12時まで働いていました。週に6日くらいは出ていたと思います。でもこれを8時間にしようとすると勤務時間は深夜2時になります。学生アルバイトで平日に深夜2時まで働いたが学校にいけません。12時でも起きられませんでしたし。パートをしている主婦の方にしても朝の9時から夕方5時まではやはり厳しいんのです。カンタンな話子供たちが学校から帰ってくるときには家にいたいのですから。年金のこともおばちゃんたちはよく知っていて必死です。ある年金に加入していないと年金の額がおそろしく少なくなるからです。

 

でもアルバイトで働いているひとに良い年金をつけてあげること、全パートの主婦に良い年金をつけてあげることは良いとこだと私は思うのです。私だって働いて来たのですが、良い年金とは縁がなかったのですから。

 

安い労働力の混入

 

私があるバイトをしていた時の仕事内容はほぼ社員でした。何回かそういうことがあったのです。でも社員ではなかったので私は「安い労働力」でした。女性が結婚した後で働く場合もパートが多いので「安い労働力」です。小泉さんの構想を初めて聞いた時は「お年寄りも安い労働力」にしようということだと思いました。結果はわかりませんが、そういうつもりではないようです。

 

グローバル企業の給料

 

あなたがグローバル企業のトップにいると考えてみてください。いろいろな国や地域に会社があります。そこで働く社員の給料はどうしたらよいのでしょうか。難しいです。なぜなら日本円で15万円で一人は十分暮らせる国や地域もあります、日本円で5万で楽に暮らせる国や地域もあるからです。企業内での二人のポジションも仕事ぶりもほぼ同じ場合にこの二人の給料は同じで良いのでしょうか。それとの生活事情に合わせて変えたほうが良いのでしょう。難しいですよね。一つの考え方としては「どんな国で働いていても社に同じように貢献してくれているのだから同じ給料」になります。企業側としてはコチラが普通です。でも一方は普通なのですが、一方はそうとうお金持ちになります。でも企業側の論理からすればこちらが普通になります。難しいんですよ、この問題。

 

こんなことは勉強すればわかること

 

進次郎さんたちは今私が書いたいつくかのことを知らないのかもしれません。でもこんな事はちょっと勉強すれば分かることです。「知らないこと」は誰でもあります。問題は「知らないことを知っていることに帰るところ」にあるのですから。進次郎さんたちは勉強する気はあると思うのです。例えば金子勝先生に教えを乞うことできる人たちのような気がします。そこが重要なんです。前にある場所で私は「障害者なんか死ね」という内容のものも読むという話をしたら「イヤな気分になりますよね」と言われました。当然イヤな気分にはなります。でもイヤな気分になる以上に勉強になるのです。その人はイヤな気分になるのがイヤなのでそういう文章は読まないのでしょうが。進次郎さんたちはイヤ気分になることも聞くひとたちのような気がしています。そういうことが出来るのであれば普通に勉強するのでしょう。

 

聞く耳を持たない頑固なひとはいくらでもいます。いくら優秀でもそういうひとには私は今後かかわりを持ちません。もう十分かかわってきたからです。勉強すれば分かることがいくらでもあるのにイヤな気分になるようなことが理由で勉強しないひとがいくらでもいます。

 

自分の言いたいことだけいうのが大好きな人たちです。私はそういう人たちは好きではありません。

 

 

まとめなのですが

 

本当に吸収しようと思うひとであれば何とかなるものです。周囲が厳しい場合でも穏やかな場合でも、ともに。あなたもいろんなところからイヤな気持ちになったとしても週休できるひとであってほしいと願っています。