渋谷で大晦日から新年にかけて若者が大騒ぎをしているようです。あれは「祭り」です。宗教儀礼ではない「祭り」には同じ要素があります。普段結構イヤな思いをしているのです。しかもそれを抑えて生活しています。そしてそのうっぷんみたいなものを「祭り」の時に発散するのです。宗教儀礼ではない「祭り」にそれは共通することです。
彼らの渋谷での大騒ぎだけをみると「若者がハメを外してゴミもたまるのでけしからん」という事になります。でも彼らの一人ひとりの生活をちょっと追うと彼らがそういうイヤな思いをしながら日常を送っていることがわかるはずです。
そして本当に金儲けのことをマジメに考えるのが筋であるような事柄なのです。例えば「毎年今年はこの音楽を渋谷で流します。DVDつきです。CDとDVDを買うなりユーチューブで見てください。そして振りを覚えてください」という商売をするのです。「日本ならび東京都公認の渋谷の大晦日の音楽はこれでダンスはこれです」という商売をするのです。「公認」を国や東京都が出すのですから国にも東京都にもミュージシャンにもダンサーにもお金が入ります。若者たちはその音楽を必死で聞いてダンスを覚えます。あの大騒ぎは当然安定します。そしてそれを東京の年末年始の観光の目玉にするのです。
お前が言っていることは汚いと思われた方もいるでしょう。でも年末にベートーヴェンの第九をオーケストラが演奏しますし、あれは日本の年の瀬の名物です。年末にベートーヴェンの第九を演奏するのはおそらく日本だけです。第九交響曲を演奏しようと思うと多くの演奏者が必要です。そしてその演奏者がチケットを売ってくれるのです。そのお金でクラッシクの演奏者が年末を乗り切るための苦肉の策だったのです。でも今は年末に第九は普通のことでしかありません。
「商売」とか「金儲け」というと嫌うひとも多数いらっしゃると思います。でも皆ご飯を食べる必要があります。たとえば若き仏教者の松本圭介さん(インターネット寺院彼岸寺の創立メンバーです)は大学を出ていったん寺を継いだ後にインドでMBAを取っています。「お寺を経営するもんなんだ。自分は経営の勉強をしていなかった」と思われたのでしょう。
お坊さんに「お前はご飯を食べるな」というのはおかしな話です。お坊さんだって食べるものの着るものも住む場所も必要です。誰にだったそうです。
「商売」とか「金儲け」というと多くの方が嫌うことはわかっています。でも誰にもお金は必要です。その事から目を背けてはならないと私は思うのです。
渋谷の大騒ぎは祭りです。あれで一儲けしましょう。私は儲からないのですが。