あの漫画は結構ついていると思うんですよ。
バレエのスポ根みたいなものなんですよ。
そういう話だからライバルが次々に出てくるでしょ。
その中の一人が「天才」なんです。
主人公はどうしても「勝てない」んです。
あいては「天才」だから。
でも「勝ち」ます。
あいてが女優になる道を選ぶからです。
私が日本の作詞家で、「このひとは天才にそうとう近い」と思っているひとがいます。
それは永六輔さんです。
友達に「永さんって唐突に作詞家をやめたんだよね」という話をしたら、「それはお金とかあったからなんでしょ」と言われたんですよ。
でもお金がなくても永さんは作詞家をやめてたと思うんですね。
そこいらへんが永さんの天才性なのでしょう。
「あの歌ってなんかおかしい」とずっと私が考えていた「遠くへ行きたい」なのですが、ジェリー藤尾さんが基本歌っています。
あの歌詞には「主語」が一つも入っていなかったと思うのです。
俳句では基本主語は使わないです。
でも歌詞で主語がないという例はほとんどないはずです。
「寂しい」とか「悲しい」とかではないですね。
あの歌にはなんか独特の何かがあって、そこは永六輔さんの「天才性」でしかないと私は考えています。
だいたい物語では「天才」は憎たらしいものです。
そういうものですが、「天才」はなんか辞めるな