ウチは壊れた家だったので、テレビの役割がよくわかっていませんでした。
吉本隆明さんはある種の認識であり、励ましようなものに、
「君の家は大丈夫だよ」
というものがあります。
理由があるのです。
それは「すべての家は壊れかけ」だからなのです。
ウチは壊れていましたが。
ただあるときに入院生活を送り、その時に「テレビって役にたつんだ」と思いました。
入院患者同士はたいして仲がいいわけではありません。
特別仲が悪いわけでもないのですが。
食堂にテレビがおいてあり、そこにいるときの人間関係がどこかギクシャクしています。
普通のことです。
その時にテレビがあると、テレビに向かってつっこんだり、テレビ出演者の悪口をいったり、クイズ番組の答えをいったりすることで場がとてもなごむのです。
「お茶の間」というと一家団欒で楽しいように私は勘違いをしていました。
しかしけっこうギクシャクしているもののようです。
そういう場所にテレビがあると、今書いた通りなので繰り返しませんが、場がなごむのです。
あなたの家は壊れかえですか。
大丈夫です。
「すべての家は壊れかけ」ですから。
テレビをつけて場をなごませてください。